Binder et al. PLoS Pathogens 2013
タグ: #virusdynamics #HCV
論文
Replication vesicles are load-and choke-points in the hepatitis C virus lifecycle.
Binder, M., Sulaimanov, N., Clausznitzer, D., Schulze, M., Hüber, C. M., Lenz, S. M., … & Kaderali, L.
(2013). PLoS pathogens, 9(8).
DOI: 10.1371/journal.ppat.1003561
メモ
ウイルスについて
HCV: C型肝炎ウイルス、Hepatitis C virus
プラス鎖RNAウイルス
感染者が多い、効果の高い抗ウイルス薬が開発されている。
モデルについて
細胞内でのウイルスの複製過程を比較的詳細に記述したODEの数理モデル。
- 新規に細胞に侵入したHCV (+)RNAはプロセッシング(*)を経て、転写される状態になり、転写複合体を形成してウイルスタンパク質を作る。
- 成熟したウイルスタンパク質と一部の細胞質中のHCV (+)RNAは、複製が行われる区画に入って複製複合体を形成する。この時、この論文で新たに考えられたホストファクター(HF)が関わる。
- HCV (-)RNAが転写(複製?)され、二重鎖RNAとウイルスタンパク質に別れる。二重鎖RNAとウイルスタンパク質(ポリメラーゼ)が再び複製複合体を形成し、新たなHCV (+)RNAが複製(転写?)される。
- 新たに複製されたHCV (+)RNAは細胞質に出るか再びHCV (-)RNAを転写(複製?)するために複製区画に残る。
計測項目について
HCVレプリコンのSC実験で同時に細胞に感染させ、ルシフェラーゼ活性(ポリプロテインの量、複製の活性)、プラス鎖RNA、マイナス鎖RNAを計測
使われたソフトウェアとパッケージ
パラメータ推定:
PARFIT (Python?)
identifiability analysis:
SensSB (MATLAB)
所感
HCVレプリコンによる実験データはin vivoのデータなどに比べると現実に即さないパラメータを推定することになるかもしれないが、ルシフェラーゼ活性で測ったポリプロテインの量の変化を見ることができるのは良いか?
モデル中のパラメータの数が多い(Table 1だけでも20個)ので、全てを推定することはできない。いくつかはsensitivity analysisとidentifiability analysisを行った上で固定されている。推定したパラメータは7つ。定性的な議論を行う上ではさほど問題ではない?
HCVの細胞への感染、粒子会合〜放出の過程は含まれていない。
注意事項
- 内容は該当論文を参照してください。主要な結論に注目していない場合もあります。
- 研究に必要な点しか抜き出していないので不完全かもしれません。
- 理解不足で間違い等があるかもしれません。その場合はご連絡ください。(ウェブサイト)